薬が効いて眠い霰です。
結局一週間近くも風邪で寝込んでしまった……。
ひとまず病院で診断を受けて薬をもらったので、副作用で沈没する前に今日の分を。
現在、Ⅲクロは第二部『第Ⅲの勇者・双子姫』編が進行中ですが、主役のメイア・ソレル姉妹と、物語の中心イクト君以外にももう一人勇者がいる事を覚えておいででしょうか。
そう、第二勇者・ルカ君です。
第二部のタイトルが第三の勇者、さらにちょいちょい話題に上がる第一勇者と違い、ルカ君だけは現状ほぼ出番がありません。
タイトルをすっ飛ばされた挙句にほぼ忘れられかけている彼ですが、そんなルカ君もれっきとした『三つの勇者』の一角(何故三人ではなく三つと数えるのかは本編をご覧ください)。
久しぶりの制作日誌は、彼を思い出してもらうための記事です。
ルカ
改めて、ルカ君は『三つの勇者』のうちの一人。
作中世界において、勇者という存在は世界に害を成した種族から生まれます。
勇者たちは直々に自種族の罪を洗い出し、それを裁く役割を負いますが、このルカ君は『守護者』と呼ばれる人間たちの守り手です。
自種族の罪を全体の殺戮によって雪ぐ処刑人『審判者』に対して、『守護者』は弁護人の役割を負います。
要するに、種族の癌となる諸悪の根源を特定して倒し、その首を以って他二つの勇者に自種族への温情を請う役目ですね。
ちょっと悪意がある言い方ですが「悪いのはコイツだけ! 他の人たちは悪くないから許して!」みたいな感じです。
大目的……王国の安寧、世界の救済
小目的……リズちゃんが代わりに動いているため現在は無し。
その人格や役割も含めて、勧善懲悪ものの主役ポジション。
勇者は正義! 魔王は悪! 悪が倒れれば世界は平和になる!
……みたいな単純思考の王道的ヒーローというキャラ付けです。
明朗快活で正義感が強く、大抵の人には優しいザ・勇者。それがルカ君。
故郷が滅び、唯一の身内とは生き別れ、自身は囚われの身となりながらも人を恨まず、彼は王国の人々と馴染んでいきました。
いつしか勇者の力に目覚め、そのおおらかな人格を以って多くの人を惹きつける理想的な『英雄』。
読み手書き手問わず、大体の人が物語の主軸としてすんなりと受け入れやすい、主人公にふさわしい王道キャラです。舞台がⅢクロでさえなければ。
この世界の人間は多くが食べるに困り、失ったものを思って過去に捕らわれ、或いは自分から何かを奪った相手に強い憎悪を燃やしています。
明るく素朴な人格が売りのルカ君ですが、それは様々な闇を抱えた人々に囲まれると必然埋没していく人間性でもあります。
そんなわけでどうしても影が薄くなってしまうのですが、ぶっちゃけそれは仕方が無い事。
だからこそ、ドラクエをはじめとした大手のRPGは、主人公を立てるために周りの仲間が一生懸命ヨイショする描写があるんですね。
でもこの物語は、人間の抱える闇の方に強いスポットが当たっています。
そんな事情からルカ君の出番はまだまだ先の事。
彼が正しく人の世を照らす光となれるのかは、今後の展開にご期待ください。
前回:気まぐれ制作日誌 Ⅲクロ イクト編 - 霰の制作日誌 (hatenablog.com)
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Ⅲ勇者クロニクル ~第Ⅰの勇者『黒騎士』~ (syosetu.com)
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