今日はⅢクロ旧話の手直しをしました。霰です。
改行が挟まったり細かいセリフが変わったり足されたりしているので、一度読んだ方も是非ご確認ください。黒騎士編Ⅱ章・2話まで更新済みです。
Ⅲ勇者クロニクル ~第Ⅰの勇者『黒騎士』~ (syosetu.com)
古い話に戻って文を見てみると、用法や展開の矛盾が多くて嫌になりますね。
Ⅲクロはとても長い物語なので、書き手としては見たいシーンを目指してどうしても駆け足になってしまいます。
だからこそ出来るだけ丁寧にお話を組み立てていきたい所なのですが、気が急くせいでやっつけ感が出てしまいますね。手抜きはしていないのですが……。
そういう時、頭の片隅に浮かぶ言葉があります。
それがタイトルにもある言葉『ポレポレ』。
スワヒリ語で『ゆっくり』という意味だそうです。
キリマンジャロに登る登山者が使う言葉らしいのですが、高山で足を急がせると高山病になってしまうのでそれを戒めるための知恵なのでしょう。
今回は私にこの言葉を教えてくれた本の紹介です。
僕が旅人になった日
僕が旅人になった日(ライツ社) | TABIPPO |本 | 通販 | Amazon
この本はライツ社出版の旅行記。
メディアプラットフォーム『note』に投稿された旅の物語の中から、厳選された20のお話を一冊にまとめた本です。
日本から出た事が無かった人たちが外国の文化と出会い、体験した無数のカルチャーショックのお話が綴られています。
妹が誕生日プレゼントで買ってくれたのですが、私はその中でも先に話したキリマンジャロ登山のエピソードが好きですね(本書250ページ)。
そのエピソードの主人公であるまるいがんもさん(恐らくペンネーム)と、タンザニアのガイドジェームスさんの山の旅。
山の中で先を急ぐがんもさんに対して、ジェームスさんが何度もかけた言葉が『ポレポレ』です。
この言葉には先に説明したような合理的な意味もあるのでしょうが、何かそれ以上のものを感じる、というのが当事者のがんもさんと私自身の意見です。
本編でも暗に仄めかされていますが、これは歩く道であれ生きる道であれ長い旅路を無理に急ぐことはないという教訓ではないかなぁ、と思います。
日本人は急ぎすぎる、時間に厳格すぎる、とはよく言われますが、私も気づかないうちに仕事の手が早くなっていることを指摘されたりします。
中国人の同僚はそんな私を見ると「日本人マジメー」と片言で言ったりしますが、真面目で勤勉な事ってあまり手放しで誇る事でもないのかなぁって彼女らの様子を見ていると思わされますね。
まぁ確かに、いくら急いでも失敗してやり直しになったら同じことだし、肩の力を抜いて寄り道をしてみるのも時には大事なのかもしれません。
短いお話ではありますが、それでも私にいくつかの学びをくれたいいエピソード。
でもこれは、20あるお話のほんの一つです。
私はこのエピソードが一番好きですが、人によっては共感するところも印象に残るところも違うことでしょう。
残り19のお話も、いずれ異なる立場や性別、年齢の旅人が学んだ人生の教訓が隠れています。
そして、それは忙しない日常に一時の潤いを齎してくれるはず。
仕事の日々に疲れを感じたなら是非とも本書をお試しあれ!
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