予告通り、Ⅲクロは本日更新! 霰です。
現実世界同様に喧嘩の絶えない人間たちに、勇者たちが強烈な一喝を叩きこみ続けてきた本作。
そこにようやく、まともに人間の弁護を行えるヒロインが現れます。
本話では一言のみの登場ですが、今後は恐らく大活躍。
彼女がこうも出張ってくるのは作者としても予定外の事でしたが、今後の展開をお楽しみに!
Ⅲ勇者クロニクル ~第Ⅰの勇者『黒騎士』~ (syosetu.com)
さて、人間同士の大喧嘩と言えば、一番最近の大きなものだと第二次世界大戦。
私は近代史を勉強することが多く、祖母もその頃の生まれなので話を聞くことも多いのですが、その時の惨状と言ったら酷いものだったようです。
当時の記録や証言を綴った本や文献は無数に存在しますが、今日はその中でもとくに有名なものの紹介です。
では本題。
アンネの日記
増補新訂版 アンネの日記 (文春文庫) | アンネ フランク, 深町 眞理子 |本 | 通販 | Amazon
ホロコーストの犠牲になったユダヤ人の少女、アンネリース・フランクさんの日記。フルネームはあまり知られていないようです。
戦争というよりは人種差別を思わせる本ですね。以前↓紹介した『他者の起源』にも似ています。
この世に悪があるとすれば - 霰の制作日誌 (hatenablog.com)
戦後に生き残ったアンネの父親が、娘の遺品の中から発見し出版したという経緯を持つこの本は、強制収容から逃れるために隠れ住んだフランク一家の記録です。
勿論、アンネ本人は記録のつもりで書いてはいないので、彼女の他愛ない日常や年頃の少女らしい悩み、そして隠れ家での過酷な生活を滲ませる独白が無数に綴られています。
細かい所は実際に読んでほしいのですが、例によって個人的な好みを抜粋すると、度々描かれるナチス軍劣勢の場面が印象的ですね。
一応彼らはアンネにとって祖国の軍勢である筈ですが、それに対して「できる事なら早く負けてくれ」(意訳)という感想を抱くのは何とも言えないことですね。
まぁ、自分たちを迫害する以上祖国だろうと何だろうと義理も何もあったものではないというのは至極真っ当な感想です。ここで愛国心なんか求めてはいけない、断じて。
が、そういう事態を招いた主犯は責任を取る事もなく拳銃で自殺してしまったし、後で現場の検分をしたアメリカの監査官は強制収容所の有様を見て激怒したとか。
当然、実際に迫害を受けた生き残りの憎悪は想像を絶するでしょう。復讐に奔った人たちの本もありますね。
デリケートな話題としてあまり触れられない話ですが、忘れてはいけないエピソードでもあります。
私にとっても勇者たちの設定にも多少の影響を与えたものなので、大事な本の一冊ですね。
これは現代人が覚えておくべき基礎的なモラルの一つを命がけで教えてくれた手記の一つ。
是非お試しを!
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