薬が切れるまでは刺激の少ない日々。霰です。
いい加減この切り出しも嫌なのですが、周りが病人まみれだとできる事も限られるので当分は我慢です。かくいう私も病人だし……。
そんな我が家に今日は伯父と従妹二人が遊びに来たのですが、三人そろって家庭環境について色々と愚痴っていきましたね。
話を聞いていて何となく思ったのですが、思えば円満な夫婦って知り合いにいない気がします。
仮に子供がいても、どこかで誰かが重大な欠陥を抱えていて家族がそれに悩んでいる
……という事例がほとんどですね。
例えば私の昔の知り合いは児童虐待の被害者で、成人と同時に親と縁を切ってどこかに行ってしまったし、他の学友も片親がいなかったり引きこもりのリハビリ中だったりしました。今職場で一緒の人たちも外国人や障害者ばかりです。
理想的なパートナーを見つけて子供もちゃんと大学卒業……なんて知り合いは一人としていません。私の顔が狭いだけなんだろうけど。
最近読んだ『獣の奏者』でも主人公のエリンちゃんは冒頭で両親を失ってしまうし、『十二国記』の主人公である陽子ちゃん・高里君は父母とも健在でこそありますが、到底円満な家庭とは言い難いです。しかも二人とも異世界に出て行ってしまうし。まぁ正確には帰っていくんだけど……。
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……でも、なんだかんだこうした冒険って、保護者の手から離れた時や自分の弱さを社会に突かれた時に始まるのかもしれませんね。
ウチの『Ⅲクロ』でもイクト君・リズちゃん共に両親が不在から始まるし、何となく多くの物語の主人公がそうした状況から物語を展開する気がします。
イクト君なんかは弟という弱点を大人たちに突かれたせいで、人間側から見ると完全に造反者になってしまいますからね。さもありなんって感じだし、それで反撃される国側は勿論ただの自業自得なんですが……。
そうして人外の存在として人間と対峙することになったから物語が始まるわけで、それはそれでいいような気がします。というかエリート家庭のお坊ちゃん・お嬢ちゃんがトントン拍子に出世していく物語とかどう面白くしろというんだ。
そう考えると我々話書きはこうした人間の問題にこそ焦点を当てるべきなのかなって思いました。
親戚の家庭が不穏なのは嫌だけど、これもまたきっと良い材料。
今日も今日とて、ささやかに学んだ霰なのでした。
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Ⅲ勇者クロニクル ~第Ⅰの勇者『黒騎士』~ (syosetu.com)
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