テレビはめっきり見なくなった霰です。
きょうも祖母の友人がおかずを持ってきてくれまして、またしても私は腕を振るい損ねました。
いや、もちろん有難いのは有難いのですが、ぶっちゃけ私は料理が好きなのでたまには機会が欲しい所でして。感謝しながらもお預けをくらって「ぐぬぬ……」となっている次第なのです、はい。
と、言うわけで出番が無くなり、伯父がテレビを独占しているので強制的に一緒に番組を見る事になるのですが……まぁ、あまり楽しんでは見られないですね。
タレントにせよスポーツ選手にせよ全く関心のない私は、M-1グランプリ優勝! とか何とかの日本代表! とか言われてもまるで響かないわけで、基本的には彼らが語る日常を冷めた目で見ているのが常です。
そんな私でさえビートたけしさんは流石に知っているのですが、テレビを見ていて思い出した一冊があったので紹介したいと思います。
芸人と影
小学館新書から出版、御大が自ら書いたエッセイですね。
二年前に何かと話題になった吉本の闇営業問題を受けて世に出た本です。
それについてのたけしさんの意見を、昔の芸能人観を絡めて語ったものです。
普段こういう本は読まないし、はっきり言って事件なんぞはどうでもいいのですが、昭和初期の芸人たちのお話が興味深かったですね。
具体的には下町に潜んで暮らしていたピエロや踊り子さんのお話です。
戦後のまだまだ治安の悪い時代だったので、クスリやら暴力やら水商売やらが横行していたみたいですね。
それから比べればちょっとヤクザ相手の商売をしたくらいで騒ぐものじゃない(意訳)って感じの内容ですが、まぁ確かにピエロが格好を気にしていちゃ務まらないでしょうね。
俯きがちな人たちを笑わせたいっていう義心にしろ、単にそれしか能がないにしろ、道化師っていうのは笑われるのが商売なんだし、変に社会的な地位なんか求めるものじゃないと思います。
芸人は道化であり、アイドルは偶像であるっていうのは前から思っていた事ですが、当の大御所自身が暗に同じことを言っているので説得力を感じる内容でしたね。
それはさておき、戦後直後の市井の様子をちょっとディープな視点から見た体験談は、歴史好きにもいい資料だと思います。
昔話が聞きたい気分になった方は是非お試しを!
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Ⅲ勇者クロニクル ~第Ⅰの勇者『黒騎士』~ (syosetu.com)
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