休日なので、ひたすら温泉に浸かっていた霰です。
今日はとりあえず、そうして浮かんだ世界の欠片をコピペして乗っけてみます。
かつて、人と精霊は冬の時代を迎えていた。
兎とさほど変わらぬ大きさで、寒さを凌ぐ毛皮も持たず、追う足も逃げ足もなく、敵に勘付く目も耳もない。
この世の動物の中で最もか弱い人間という生き物は、生まれながらに弱者であった。
猫に狼に、肉を食うあらゆる動物に喰われた。
牛に羊に、草を食むあらゆる動物に追われた。
草の根を齧ることもできず、ただ一方的に喰われるだけのこの動物は、滅びの淵にあった。
山が火を噴き、大地が揺れる都度、溢れる自然の力の残滓は精霊という、光の塵の生き物を生んだ。
精霊は生まれながらの賢者であり、『言葉』という意思疎通の力を有していた。
だが塵は塵。
地に落ちれば土に溶け、生まれて飛んでは落ちて、消えて死ぬ。
彼らが永らえる術は動物たちの毛皮に紛れる事だけであり、しかし獣たちは精霊が語る言葉を理解しなかった。
必死の命乞いも空しく、水でも泥でも浴びれば精霊たちは洗い流され、やはり落ちて死ぬ霞のような存在だった。
だが人間だけは、精霊の言葉を理解した。
彼らは寄る辺なき精霊たちを飲み込んで自らの身体に住まわせ、代わりに彼らが持つ自然の力と、言語の能力を借りたのだ。
小さくか弱き種族はこうして互いに生き永らえ、今日も藪の中、慎ましく暮らしている。
今のあなたと同じように――。
深く考えて作ったわけではないですが、ここは人と霊的存在の共生する世界のようですね。
人間が生き物のヒエラルキー下位存在なのは私らしい。
とりあえず土台となる世界がないと話が膨らまないので、私の物語づくりはこうした形で、とりあえずざっくりとした『どんな世界?』を作ります。
ここに人物が現れ、利害関係ができ、そして物語が始まる。
どんな話になるかはまだ私にもわかりませんが、乞うご期待。
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