明日出すつもりが時間があったのでできてしまいました。
Ⅲクロ本日更新です↓。古い話の追記もしてあるので是非ご一読ください。
Ⅲ勇者クロニクル ~第Ⅰの勇者『黒騎士』~ (syosetu.com)
で、今日はⅢクロを書きながら思い出した物語の紹介です。
要するに書籍紹介ですね。
私が紹介する本は大体そうですが、今回も例に漏れずファンタジー小説です。
多くの人におすすめしたいので、さっさと本題。
ルーンの子供たち 冬の剣
ルーンの子供たち 冬の剣1 (Next novels) | ジョン・ミンヒ, ゆーげん, 酒井君二 |本 | 通販 | Amazon
韓国の女性作家、ジョン・ミンヒ先生のファンタジー小説。
同国ネクソン社のオンラインゲーム、『テイルズウィーバー』の原作小説でもあります。
ストーリーは、伝説の武具『ウィンターボトムキット』を守る家系『ジンネマン家』、その次男のボリス君が、家族を喪い天涯孤独となりながらも、武具の片割れである魔剣『ウィンタラー』を守り旅する逃避行です。
以前紹介したデルフィニア戦記(↓リンク)のような正当的なハイファンタジーですが、ボリス君は魔剣を持っているだけでただの人間なのでヒロイックファンタジーとは少し違うかな?
王道の中の王道 - 霰の制作日誌 (hatenablog.com)
改めて言いますが、ボリス君は特別な能力もないただの人間。
リィちゃんみたいな心強い味方がいるでもなく、十二歳にして天涯孤独になった彼は、たった一人で家族の形見である魔剣を守らなければなりません。
しかもこの剣、価値を知っている人間には垂涎のお宝。
剣が目当ての悪い大人たちに狙われ、騙され、時に命の危機に晒されながら、ボリス君は強く大きく成長していきます。
でもって強烈に世間擦れしていきます。
↑この通り(見た目は)爽やかイケメンに成長したボリス君は、所謂一般的なファンタジーの熱血主人公像とは結構かけ離れた人間になっていきます。
最終的にはトラブルに巻き込まれるもののお人好しではなく、困っている人を見ても「厄介事は御免」とスルーすることが多いです。
しかも子供の頃に散々ひどい目に遭ったせいで年上や権力者には頭から懐疑的な節があり、必要が無ければ関わろうとしません。
「王様が困っている」とか聞いても、理由が無ければ「知るかそんなもん」みたいな感じで、時にはつっけんどんな態度のせいで損をすることも多いです。
基本的には人を信じず、何より生きるための行動をとるという冷静堅実な主人公。それがボリス君。
でもその実、家族が無い事で愛に飢えており、それを与えてくれた師匠のナウプリオンやヒロインのイソレット、数少ない友人たちには命を懸ける程の執着を見せる、正に等身大のヒーロー。
そんなとっても人間臭い彼の目線から広大な作品世界を隅々と巡るファンタジーは、読者と近い目線で『ここじゃない別の世界』を味わわせてくれます。
デルフィニア戦記と同様、私に大きな影響を与えた作品の一つ。
氷属性の伝説の剣とか身内への偏愛がすごい主人公とか、威力に差こそあれⅢクロにも似た設定が出てますね。
オマージュしたつもりはなかったのですが、無意識に作品の傾向が似るくらいには私の血肉となった物語です。
一応児童書としても出版されていますが、非常に重厚な物語なのでお子さんに読ませる際は保護者同伴がいいかもしれません。
というか十中八九、親の方がハマります。
おじいちゃんおばあちゃんがお孫さんに読み聞かせるにもおすすめです。多分涙に濡れながら読むことになりますが。
ファンタジー書きとして読者様には絶対おすすめしたい本の一冊です。
是非お試しを!
因みに私はランジエが好きです。
あとリリオペ、お前は絶対に許さん。ファンの方にはゴメンナサイ。
理由については是非読んでね!
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