この世に悪があるとすれば
Ⅲクロは明日には出せそうです。霰です。
さて、馬肥ゆる秋ということで、食べ物がおいしい季節ですね。
そんなわけで私の職場のような食品製造の現場は何となく忙しくなってきます。
当然そうなると働き手も人数が必要なので、臨時で人数を雇ったりもしますね。
私の職場には中国からの技能実習生が結構たくさんいるのですが、人間の数が増えると揉め事もちらほら起こり始めます。
特に国が違うと何となく国の名前を持ち出して悪口を言ったりする人がいますね。
今日はそんな日々を送っているうちに思い出した一冊の紹介です。
では本題。
「他者」の起源
「他者」の起源 ノーベル賞作家のハーバード連続講演録 (集英社新書) | トニ・モリスン, 森本 あんり, 荒 このみ |本 | 通販 | Amazon
トニ・モリスンさん著の……エッセイ? なのだろうか。
黒人であるモリスンさんが、人種や身分による差別、それによる人間同士の社会的な分断について語った本です。ここでタイトルを見てニヤリとした方は私と同類です。
中でも一昔前の黒人奴隷の実態が話の軸になっていますね。
白人から黒人への差別は有名ですが、個人的には黒人同士の差別の話が印象に残っています。
黒人奴隷の悲惨な実態については、多少でも歴史を齧った事がある人なら大体は知っていそうなものですが、勿論当事者たちの想いについては察するに余りあります。
特に高齢の方の怨恨は尋常ではなく、同じ黒人でも別人種の血が混じっているだけでも異物扱いして排斥した例があるようです。
詳しくは実際に読んでいただきたいのですが、時間をかけて醸成された怨恨っていうのは如何ともしがたいものです。
昔沖縄に行った時↓も思いましたが、人間同士はできるだけ仲良くしたいものですね。
終戦記念日 たった一度の旅の思い出 - 霰の制作日誌 (hatenablog.com)
最近テイルズオブアライズをクリアしたのですが、その中にいいセリフがありました。
「私たちは種族や派閥で人を判断しがち」と。
私は中国人の姉さん方と働いていて常々思わされるのですが、国や言語が違えど大体みんな話せば通じるし、何かに特別優れているとか劣っているとかもない普通の人間です。
そこから悪い所をあげつらって序列を付けようとするのは無益な争いの元だし、それが行く所まで行っちゃったのが奴隷問題なり人種差別だったりなんだと思います。
ファンタジー小説ではありませんが、これもまた私に大きく影響を与えた本です。
少なくとも日本では表面化しにくい問題について考えるには最高の教科書だと思います。
……そう、表面化しにくいだけで無いわけじゃないんですよね。
少なくとも私は今、職場でそういった問題の芽とも言えるものを垣間見ています。
これまでも再三言っている事ではありますが、確かに中国って国は不穏なことをたくさんしていると思います。でもそれって中国人全員が悪いわけじゃないのです。
別に庇っているつもりはないのですが、無暗に人間同士を国やら組織で分断して、派閥同士で争う構図を作ると大抵碌な事になりません。
今回紹介した本は、私たちがこういった問題について考えるきっかけになると思います。
国際問題について興味がある人もそうでない人も、ぜひご一読を!
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Ⅲ勇者クロニクル ~第Ⅰの勇者『黒騎士』~ (syosetu.com)
歩く塔のアン (syosetu.com)※お休み中
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